sumiirokemomo

創作BL『プロメチウム彗星』管理人のメモ置き場

ノータイトル

水道に行こうとしたら近くに集団がいた。上級生だと思う。わぁわぁ騒いでるし何か嫌だから水飲むの諦めて教室に戻ることにした。

 

教室前の廊下で紺野にばったりあった。入学式の時を思い出す。教室から出て行こうとするから、どこにいくのか聞いたら「水道」って言う。

 

先輩たちが騒いでたからやめたら?って伝えたら「え?どこの?」って聞かれて、場所を答えたら「遠っ!」って言われた。

 

「すぐそこにあんじゃん・・・喉乾いてんの?」

「・・・」

 

近くの水道はクラスのやつも行ってるし一人で飲みに行くのがなんか惨めで嫌なんだよ・・

 

俯いて黙ってたら「あのさぁ」って紺野が話し出す。ネガティブな自分が悪いのはわかってるし説教されんのかと思った。でもそうじゃなかった。

 

「昨日知らない先輩が教えてくれたんだけど、学校の中で1番冷たい水が出る水道・・一緒に行く?」

 

俺は顔を上げる。

 

「でももっと遠いから走らないと間に合わないよ?」

 

 

否定されると思ってた分、その提案がめちゃくちゃ嬉しかったから即答で「行きたい」って答えた。

 

 

二人で走って水飲んで慌ててるから冷たさなんてわかんなかったけど、走って教室に戻ってる時もなんとも言えない気持ちだった。

 

息を切らして教室に戻ったらクラスのやつに「どーした?!」ってびっくりした顔で聞かれたから経緯を説明したら「ばかじゃん!」って、みんなに笑われた。

 

嫌な笑われ方じゃなくて、しかも俺一人笑われたわけじゃない。

 

最高だった